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28年ぶり貿易赤字へ 「貿易立国」揺らぐ 20年度


 平成20年度の輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が、赤字に転落する見通しとなった。20年4月〜21年2月までの累計貿易収支は約7400億円の赤字となっており、残り1カ月で赤字を解消できるほどの輸出の伸びが期待できない状況にある。貿易赤字となれば昭和55年度以来で、28年ぶり。貿易収支の黒字を稼ぐ「貿易立国ニッポン」のビジネスモデルが揺らぎ始めている。

 財務省が25日発表した平成21年2月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出総額は欧米やアジア向けの大幅な落ち込みで前年同月比49・4%減の3兆5255億円となった。輸入も国内需要の低迷により、同43・0%減の3兆4431億円。輸出、輸入ともに比較可能な昭和55年以降で、最大の減少率を記録した。輸出と輸入が前年同月を下回るのは4カ月連続。

 2月の貿易収支は824億円の黒字となり、昨年9月以来、5カ月ぶりに黒字に転じた。中国からの衣料品などの輸入が大きく減ったことに加えて、原油など資源価格の落ち込みや円高などが輸入総額を押し下げた。

 輸出の地域別では、米と欧州連合(EU)向けの自動車、エンジン部品などが減少しそれぞれ58・4%減、54・7%減と過去最大の下げ幅を記録。米向け輸出の減少率は9カ月連続で2けたとなり、円高不況となった昭和61年3〜11月に並ぶ過去最長となった。

 20年度の貿易収支について丸紅経済研究所の常峰(つねみね)健司研究員は「3月に大幅な貿易黒字になることは期待できず20年度は貿易赤字になる見込み」と予測する。貿易赤字となった昭和55年度は、石油危機の影響で原油価格が上昇して、輸入総額が膨らんだ。

 今回は世界的な景気悪化を受けた需要減退からくる輸出減が主因。「欧米や中国経済の回復時期の見通しは立っていない」(常峰研究員)。外需頼みで成長してきた日本の経済構造が限界にきている。

(yahoo!ニュースより)

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