阪大、NOXを浄化できる触媒開発 (2009/09/28)
大阪大学大学院工学研究科の今中信人教授と増井敏行准教授らの研究グループは、酸素非存在下で窒素酸化物(NOX)をほぼ100%浄化できる触媒を開発した。一酸化窒素を窒素と酸素に分解する。さらに10%酸素存在下では、従来のペロブスカイト型触媒の約4倍の活性を示す。NOXの固定発生源である発電所などで利用できる可能性があるとしている。今後は酸素存在下での触媒活性の向上を目指し、研究を進める。
開発したのはイットリウムを主成分とした触媒で、このほかにテルビウムとバリウム、酸素で構成した。実験では酸素非存在下の場合は温度条件が約900度C、10%酸素存在下では、同約800度Cで浄化率を確認した。結晶構造中のすき間に一酸化窒素の酸素部分が捕らえられることで分解が進行する。
ほぼ完全浄化が実現したのは、構成元素とその組成を工夫したことで、格子中のすき間の大きさが、分解に適したサイズとなったためと見ている。
(日刊工業)